Napa Valleyのワイン・ビジネス [アメリカン・ライフ]
カリフォルニア・ワインといえばナパ・バレー。今週後半は休みを取ってナパ・バレーを散策してきました。ナパ・バレーには大小2千ものワイナリーがあるそうで、谷を南北に貫く29号線沿いや周辺の岡の上などにさまざまなワイナリーが軒を連ねています。
そんなナパで有名なワイナリーや中堅ワイナリーをあちこち訪ねて歩くうちに、だんだん気がついてきました。味わいと価格は大体比例しますが、知名度と価格は反比例するものだということを。
例えばRobert Modavi(写真)といった大手ワイナリーの2002年カベルネ・ソービニオンと、中堅どころのワイナリーの同じ種類のものを比べると、後者の方が味わい深いワインであるにもかかわらず価格が低いことがしばしばあります。
品質では勝るが低い価格にしなければならない、大手は多少品質では劣っても高く売れる、、、この差はきっとブランド力の差なのでしょう。ワインは立派なブランド・ビジネスなんですね。
もう一つ気がついたこと。ワインは資本集約的で工業的なビジネスなんですね。資本を投下して広大な土地を買い、人を雇って葡萄を栽培し、工場を作ってワインを造り、流通経路を作って販売する。天候に左右されるリスクはありますが、カリフォルニアのように安定した天候の地ではそのリスクも少ないのでしょう。そう考えるとこれは農業というよりは工業に近い性質のビジネスです。
映画監督のFrancis Coppolaが資金を投入してかつてNiebaumという人がやっていたワイナリーを買収し、自らの知名度もうまく活用してワインビジネスを展開していますが、まさに資本力とブランド力がなせる業という気がします。
農業ビジネスってまだまだ発展の余地があるのかもしれませんね。
余談ながら、起業家が成功してお金持ちになり、りっぱな家や車や飛行機を手に入れた後で行き着く先はワイナリーの自己所有だという話を聞いたことがあります。いつか三木谷さんやホリエモンがワイナリーを所有する日が来るのかもしれません。
ところで、今回のワイナリー巡りで出会ったお気に入りのワインはFlog's Leapのカベルネ・ソービニオン(写真)。変な名前のワイナリーですが、ワインを造る暖かい人たちと奥深い味わいの秀逸ワインが魅力です。
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