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Appleの時価総額がMSを超えた [投資一般]

Appleの勢いが止まらない。メディアはどこもかしこもiPadで持ちきりだ。関連する電子書籍業界も騒がしくなってきた。当然、その震源地はAppleだ。

Appleは株価も熱い。先週、Appleの時価総額がMicrosoftを超えたそうだ。Yahoo Finance (US)で両社の時価総額をチェックしてみると確かにそうなっている。

(as of 5/28/2010)
VALUATION MEASURESAppleMicrosoft
Market Cap (intraday)5:233.74B226.11B
Enterprise Value (May 30, 2010)3:210.59B194.92B
Trailing P/E (ttm, intraday):21.7813.37
Forward P/E (fye Sep 26, 2011)1:16.5811.12
PEG Ratio (5 yr expected):1.171.47
Price/Sales (ttm):4.513.83
Price/Book (mrq):5.864.98
Enterprise Value/Revenue (ttm)3:4.123.27
Enterprise Value/EBITDA (ttm)3:13.327.72
Profitability 
Profit Margin (ttm):21.15%29.03%
Operating Margin (ttm):29.38%38.43%
Management Effectiveness 
Return on Assets (ttm):18.72%18.60%
Return on Equity (ttm):33.97%41.83%
Income Statement 
Revenue (ttm):51.12B59.54B
Qtrly Revenue Growth (yoy):48.60%6.30%
Gross Profit (ttm):17.22B46.28B
EBITDA (ttm):15.80B25.25B
Net Income Avl to Common (ttm):10.81B17.29B
Diluted EPS (ttm):11.81.93
Qtrly Earnings Growth (yoy):89.80%34.60%

両社の財務内容を細かくみてみると、売上、利益では引き続きMSの方が大きいが、売上高成長率、利益成長率が圧倒的にAppleのそれが大きい。iPod, iPhone, iPadと次々にヒットを出しているAppleのこと、今後も更なる成長を織り込んだ株価ということだろう。

ちなみに、Apple、Microsoft、Googleの各社の過去5年間の株価推移をみると、Apple(青線)だけが突出して延びていることが分かる。Google(緑線)が上昇率約100%(株価2倍)、Microsoft(赤線)はほとんど上昇してない。


5years

 もう少し長い時間軸で見てみよう。

各社が上場してからどの程度株価が上昇したかをグラフにするとこうなる。


Fullyear

青線がApple、赤線がMS、緑がGoogleだ。Appleはすでに80年代前半から上場していたらしい(初代マッキントッシュの発売は1984年!)。MSは80年代後半だ(80年代にMS-DOSが出たばかりの頃、MSはIBMに出入りしているソフトウェア会社に過ぎなかった)。

株価の上昇カーブを見ると、各社の歴史が垣間見れる。90年代半ばにWindowsを発売して株価がどんどん上昇するMS。ピーク時の2000年には公開時に比べて約500倍まで株価が上昇した。しかし、2000年以降は時代の流れがソフトウェアからWebの方向にシフトしたこともあってか目ぼしい活躍も見えず、株価はほとんど変わらない。

Appleは90年代にWindowsに押されて株価がジリジリと低迷し、98年には危機的な状況となった(株価は公開時とほぼ同程度まで下落!)。このとき、独占禁止法の絡みでAppleの破たんを警戒したMicrosoftが、Appleに出資して支援し、Appleはこれで九死に一生を得た。その後、iPod、iPhoneなどの爆発的ヒットにより株価は急上昇中、公開時から100倍の水準まで来ている。もしMSがAppleの株式を今も持っていれば、会社の資産上昇に大きく貢献したはずだ。

Googleは2005年の株式公開以来、2008年にピークに達し、現在もその水準をキープしている。Googleの場合には上場時の時価総額が高かったので、その後の伸び代が少なかったともいえるが、Web系企業は従来のハードウェアメーカー(Apple)やソフトウェアメーカー(MS)に比べて会社の成長時間が短いのかもしれない。

世間はまだリーマンショックから完全に回復しておらず、ギリシャに伴う新たな金融の混乱や政治の混乱など、閉塞感でいっぱいだ。そんな中のAppleの力強さは目を見張るものがある。

どうしたらこの力強さを日本で実現できるのか、そんなことを考えてみたいものだ。


大賑わいのiPad [ネット]

Ipad  この週末、米国でいよいよiPadが発売され、メディア各誌で大きく取り上げられている。私自身もiPadには大いに期待しており、今後どのような発展を遂げていくか注目したいところだ。

KPCBのJohn Doerrが「iPadは世界を支配する」と言ったそうだ。少々引用させてもらおう。

引用: Kleiner Perkins’ John Doerr: iPad ‘will rule the world’

... Kleiner partner John Doerr sounded especially excited about the device, claiming that it will “rule the world.”
“I hope I can sleep with it Saturday night,” Doerr said. “It feels gorgeous. It is not a big iPod. It is a very big deal.”

The iPad will spur a “third renaissance in software,” he added. It’s a completely different kind of interaction, with interactions moving from  WYSIWYG interfaces, where “what you see is what you get,” to WYTIWis, where “What you think is what is” ? he didn’t offer too many details about the difference, but the idea is that the iPad is even more intuitive than previous interfaces.

John Doerrによると、iPadは「第三のルネッサンス」であり、WYSIWYGの世界からWYTIWisの世界、つまり「ディスプレイで見たとおりに処理される」世界から、「直感的に思ったことがそのまま処理される」とでもいうべき世界を提供するツールだとしている。マニュアルに頼らず、直感的にしたいと思ったことがそのまま実現されることがiPadの本質だという意味だろう。単なる電子書籍にとどまらず、ITのあらゆる場面で使える普遍的なデバイスになりうる、というようなことだろうか。

日本では著作物の権利関係の調整が手間取っているようでiPadが普及するかどうか微妙なところだという。旧態依然とした権利関係を引きずったままでは世界からますます取り残されかねない。産業構造、社会構造そのものを変えていくような新たな動きを起こしていきたいものだ。


コラム: 日本は情報発信しよう [コラム]

先ごろ東京ビックサイトで開催された国内最大級の環境系カンファレンスであるPV Expo, FC Expo,二次電池展に参加してきた。このカンファレンスには数年来参加しているが、今年は会場も広くなり来場者数も飛躍的に伸びた感じだ。大いに盛り上がったと言っていいだろう。 



こうした大きなカンファレンスだっただけに海外からの来場者も多かった。会場のあちこちで欧米系、アジア系の人を見かけた。いい傾向だ。



そんな中、主催者が来場の主だった人を招待して「VIPランチパーティ」なるものを開催してくれた。日本の環境系の人が集まる交流会というのは初めてだったので、期待して行ってみた。しかし結果は悪い意味で驚きだった。300人ほどの業界関係者が集まる立食パーティだったが、大半の人が会場内でただ黙々と食事をしているのである。食事を取りに行くための行列も長く、みんなおとなしくその行列に並んでいる。300人もいるのに、とても静かなのだ。名刺交換なんて雰囲気じゃない。みんなあまりしゃべっていない。。。。海外からの人たちもこれには呆然という感じで立ちすくしていた。



日本でIT系の集まりに参加しても食事に一生懸命な人は見かけるものだが、もう少し交流会の側面があることが多い。業種が違うと雰囲気が違うということか。。。



日本の環境系技術は高いというが、コミュニケーションの方法には非常に戸惑いを感じる。下記のような記事もあるが、ぜひとも積極的にコミュニケーション&情報発信していかねばなるまい。

引用: クリーンテックに流れ込むカネと「ジャパン・パッシング」

日本企業は米国では存在感が薄い。それどころか、クリーンテック分野で「日本外し」が始まったと感じている人は少なくない。理由は大きく分けて2つある。1つは海外での競争力が弱いことだ。民間の分野では日本企業のアピールが非常に弱い。外交も及び腰であると感じる。










3D化の流れは止まらない [その他テクノロジー]

Alice-in-wonderland_320 今週末はAcademy Awardsが開催される。毎回注目される作品が多い中で、興行収入という点ではAvatarが圧巻だが、Oscarの行方に注目したい。

Avatarは未だに上映が続いている人気の3D映画だが、アメリカではAvatarに続く3D映画であるAlice in wonderlandがこの週末に公開され、出足は好調なようだ。

Box office: 'Alice in Wonderland' on track to break all March records

... The Tim Burton-Johnny Depp collaboration debuted Friday to close to $40 million, putting its 3-day cume in the range of $110-$120 million. That far surpasses the previous March record-holder, Warner Bros.’ 300 which opened to $71 million back in 2007. 


先週の金曜日に封切られたばかりのようだが、1日の興行収入が$40M、土日を含めた3日間では$110-120Mに達する見込みで、3月公開の映画としては記録的だという。3D映画だから人気なのか、Johnny Deppだから人気なのか、おそらくその両方だろうが、3D化の流れはすっかり定着しそうな印象を受ける。


この映画は日本では4月中旬の公開のようだ。もし見に行かれる方があれば下記に注目しよう。


引用: Alice breaks box office records, proves the power of 3D

If you go, watch the tea party scene closely. As reported on VentureBeat, it was filmed with standard 2D cameras and then converted to 3D by SoCal digital post-production house Legend 3D.


映画の中に出てくるティーパーティのシーンを注意深く見てみよう。2次元の映像を3次元化したものらしい。Legend 3Dのデジタル処理によるものとか。


今年はテレビも3D元年と言われている。3Dブームはしばらくは続きそうだ。


提言: 年金基金をベンチャーファンドへ [コラム]

ベンチャーキャピタルを取り巻く環境は昨年の秋ぐらいから投資マインドが改善してきている気がするが、一方でまだまだ過去の柵にとらわれて動きが取れないところも少なくない。いち早く景気回復した中国や韓国、台湾と比べても日本が足りない。何か抜本的な枠組みの変更が必要だ。

アメリカではVC業界発展の背景に、エリサ法(ERISA : Employee Retirement Income Security Act 1974、従業員退職年金保障法)の果たした役割が大きいといわれる。たとえば下記のページから引用しよう。

引用: VCF出資者としての年金基金
米国のベンチャーキャピタル投資の発展史を眺めてみると、1981年にERISA(従業員退職年金保障法)による年金基金の運用規制緩和で、年金基金のベンチャーキャピタル・ファンド(VCF)への投資が解禁されたことの意味は大きい。ERISAの規制緩和は、当時のキャピタルゲイン課税の引下げやPCなど新しい技術革新の進展と相俟って、1980年代以降の米国VCFの規模拡大に貢献し、結果としてVC投資の意義への社会的認識も大いに進んだ。同時に、その後の米国VCFの主たる出資者は年金基金となり、最近でも米国VCFの約半分は年金基金が出資している。

エリサ法については日本では語られることはほとんどないが、年金基金が危機に瀕していた80年代のアメリカにおいてエリサ法が出来たのは興味深い。その背景や意義を理解することは重要だ。私自身、きちんと研究しているわけではないが、VCとしての視点では下記のような影響があったと聞いたことがある。

  1. ERISA法により、年金基金はVCファンドに出資するよう促された(噂では、P・F・ドラッカーがベンチャー育成が国家経済の将来に有効であることを説いて議会を動かして法制化され、年金基金はVCファンドに投資せざるをえなくなったという)。
  2. その後、80年代にIT系を中心に多くのベンチャー企業が誕生し、成長した。70年代のものも含めればApple、Microsoft、Sun、Ciscoなど国の経済を支える原動力となる企業が生まれた。
  3. その後も年金基金はVCファンドに出資する主たる投資家となり、バイオやクリーンテックなど次々に新しい分野での産業革新を起こす原動力になっている。

日本の国民年金、厚生年金も危機的状況だと聞いているが、金利の低い日本の国債やぱっとしない上場株式で運用していてもたかが知れている。思い切って年基金の一部(たとえ1%でも十分!)をベンチャー投資に回すような法律などできないものだろうか。

もちろん、今の日本の業界体制では不安だ。起業家、支援者、情報開示の在り方、失敗した場合の在り方など、あらゆるところでレベルアップが求められよう。しかし、明日の日本を担うベンチャーが本当に出てくるとしたら魅力的だ。

日本の閉塞感を打破するため、みんなで世論を盛り上げませんか?

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