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優先株の相場観 [VC投資論]

日本で優先株を使ったVC投資が増えてきているそうだ。
数年前から「種類株」を使う例はあったようだが、まだまだ普通株による増資が圧倒的に多いものだと思っていた。それが、ここへきて複数のルートから種類株による増資の話を聞くに及び、日本で優先株の導入が本格的に始まる機運が高まっている気がする。



優先株は普通株に比べて「何か」が優先するから優先株と呼ばれる。何を優先させるかについては当事者同士の話し合い次第でどうにでもなるわけだが、この「何か」について誰かが基準を作っているわけではないので、いざ実際に優先株を作ろうと思うと、何をどのくらい優先させるかについてはたと困ってしまうものだ。



優先株の使用が一般的な欧米諸国では、優先株が持つ権利の中身について一種の「相場」があって、順調なベンチャー企業への投資の場合には「これくらい」、苦労しているベンチャー企業への投資の場合には「あれくらい」、というようにだいたいのコンセンサスが業界内で形成されている。大手法律事務所らがこうした優先株の権利の中身をリサーチして四半期に一度ぐらいレポートを出したりすることで新たな相場観の形成に一役買っており、大いに重宝がられる。ベンチャー投資に携わる者としては、バリュエーションと並びこの相場観はとても重要だ。



日本でも今後試行錯誤を繰り返しながら日本の実情にあった「優先株の相場観」が形成されていくのではないか。未公開投資の世界では投資してから結果が出るまで概ね3~5年ぐらいかかることを思えば、優先株を使うことによるメリットやデメリットが理解され、適切な相場観が形成されるまで、やはり3~5年ぐらいかかるのではないかと想像している。



参考:




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