スカイプ買収の噂 [ベンチャービジネス]
シリコンバレー界隈ではeBayがSkypeを20~30億ドル(約2~3千億円)で買収するという噂が流れた。(ニュースの例はこちら)
その後、この噂には否定的な見解も出された。
このニュースが根も葉もない噂なのか、それとも事実に基づくものなのか定かではないが、遅かれ早かれSkypeは大型IPO銘柄になるか、今回の噂のようにインターネット系の大手企業に買収されることになるのだろう。
なぜSkypeがここまで強くなったのだろうか。
最近のIT業界で元気のいいGoogleとSkypeとはいろいろな意味で共通点がある。
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誰もが必要としているサービスを高品質かつほとんど無料で提供する。
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大規模なマーケティング活動は行わず、もっぱら口コミと提携戦略によってユーザーを等比級数的に増殖させていった。
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門外不出のコア技術を持っており、他社は簡単には追いつけない。
この2社は、情報の検索や音声の伝達において、従来必要とされていた手段をバイパスし、誰もが手軽で安価に利用できるようにした。その一方で、従来型の設備は徐々に無用化されていく方向にあるのだろう。その意味で、この2社は創造的破壊者なのだと思う。技術の進歩とはそういうことなのかも知れない。
これら2社が登場したことで、今後ますます「中間のプロセス」が中抜きされていく気がする。「中間のプロセス」とは、「情報を創造する人」と「情報を使う人」、あるいは「情報を送る人」と「情報を受け取る人」の間に存在する、情報の検索や伝達といったプロセスの意味で、例えば日本で言えばNTTやKDDIが多額のコストを投じて作った通信回線や通信設備と言った物をさす。2社の登場でこれら既存のプロセスの一部がバイパスされ、そうした設備は徐々に収益を生まない方向に追いやられてしまう。
インターネットバブルは2000年で崩壊したが、熱狂からさめてみると本物だけが残った。残った本物達はこれから本格的な拡大期に入り、従来勢力に対する脅威になっていくような気がしてならない。
米国IT企業社長ブログのHiroです。こんにちは。
今更ながらですが、今回のebayのスカイプ買収劇について、いろいろと検証してみましたので、記事をTBさせて頂きます。今後ともよろしくお願いします。
by hiro@米国IT企業社長ブログ (2005-10-08 17:48)
Hiroさん、コメントとTBありがとうございます。
Hiroさんの分析は多彩かつ精緻ですね。
今後ともよろしくお願いします。
by キャピタリストの日記 (2005-10-11 14:03)