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レーザープロジェクター [その他テクノロジー]

ハードウェアの世界は次々とイノベーティブな技術が出てくるので面白い。



たとえばこんなのはどうだろう:リアプロテレビ用レーザー光源



リアプロテレビというのは日本ではそれ程普及してないと思うが、ビジネスのプレゼンテーション等に良く使うプロジェクターをテレビボックスの中に入れて映像を画面の後ろから投影する方式のテレビで、40インチ以上の大画面テレビを比較的低価格で実現することが出来る。家が大きいアメリカでは人気だ。



低価格ではあるが、リアプロTVの難点は、暗いこと、色の再現性が悪いこと、さらに光源のランプが壊れたらサービスマンによる修理が必要になることだ。こうした難点の多くはリアプロTVの光源にランプを使っていることに起因する。家庭の電灯に使うランプとはちょっと種類が違うが、それでもランプだ。大量に熱を発するし切れもする。



このランプをレーザーに置き換えることが出来れば、上記の問題を解決し、圧倒的に小型化することが可能になるだろう。Novallax社等の技術により、そうした時代がすぐそこまで来ている。



将来は、携帯電話にプロジェクター機能を装備されるようになり、たとえばテレビの映像をワンセグ携帯で受信し、携帯電話のディスプレイではなく近くの壁に投影して、たとえば飲み会の席でワールドカップサッカーをみんなで観戦することも可能になるだろう。案外現実的なシナリオではないか。


すべては「ビデオ」に通じる [その他テクノロジー]

"All things Digital Video"というエントリーが興味深かった。「すべての道はローマに通じる」をもじって「すべての技術はデジタル・ビデオに通じる」というようなことだろう。確かにそのとおりだ。



パソコンソフトの世界やウェブの世界ではビデオが有力なコンテンツとして定着してきているが、これに加えて最近では家電業界の方々(特にAV機器関係者)もデジタルビデオ関連技術を探しているようだし、iPodは既にビデオ対応だ。アメリカでは通信(特にワイヤレス)もビデオを意識したインフラを作ろうとしてきている。放送業界も番組を通信回線で配信する方向に動いている。PC/テレビ/レコーダー類のハード、番組/コンテンツなどのソフト、これを結ぶ通信回線がそれぞれ高度になり、デジタルビデオにつながってきた。



ネットの世界を流れるものはテキスト(文字)、音声・音楽、ビデオという具合に発展してきたが、今後さらなる発展の余地はあるだろうか。




携帯電話の通話時間が減っている [その他テクノロジー]

日本の携帯電話業界では、平均的な通話時間が緩やかに減少傾向をたどっているらしい。通話時間とは、データ通信の時間を除き、純粋に誰かにダイヤルして電話したり受けたりした時間のことだ。データ通信も定額制になりつつあるようなので、ユーザーがよりデータ通信に移行し、高額な音声通話が減ってきたということなのだろう。



ところがお隣の韓国では通話時間が延びている。韓国では全体に日本よりも平均通話時間が長く(300分/月)、しかも年々上昇傾向にあるようだ。リサーチ企業のAnalysysによると、韓国ではマーケティング活動が盛なことと、無料通話分が基本料金に含まれていることが主因としており、日本と韓国の違いを対比して「オペレーターは努力しだいでは音声通話で売り上げを伸ばすことが出来る」と結論付けている。



ベンチャー業界にいると、携帯電話=データ通信のインフラ、としか見ていないところがあるが、音声インフラとしてもまだまだ価値は高く無視してはいけないということだろう。


DellがAMDと組んだ [その他テクノロジー]

Dellの続報です。



先日もお伝えしたようにDellの株価がさえないが、これに対してDellは手をこまねいているわけではないようだ。DelljはこれまではIntelのMPUしか採用してこなかったが、このたび新たにAMD製のMPUを採用するようだ。Amd
AMDはIntelよりも廉価な製品を供給する半導体メーカーというイメージがあるが、この提携によってDellは仕入れコストを下げて収益性の向上を目指すのだろう。一方、世界No.1シェアのDellの一部にAMDが採用されるのはAMDにとっても願ってもないチャンスのはず。AMDが世界最大の半導体メーカーであるIntelの独走を少しでも食い止めるようだと業界の競争が促進されて面白い。


Dellは時代遅れ? [その他テクノロジー]

Dellの株価が振るわない。Dell
世界のPC市場でのシェアを落とし、株価は過去3年間の最低価格を記録したようだ。Dellのビジネスが成長していないわけではない。世界の成長スピードにDellがついていけないのが問題なようだ。



Economist誌によると、Dell不調の理由はこんな具合だ。



  1. Dellは直接販売による低コストを背景に圧倒的な価格競争力を実現していたが、ここに来て競合各社も価格競争力をつけたので、もはや価格競争におけるDellの優位性は崩れつつある。
  2. コンピューター市場のうちで大きく伸びているのは家庭市場とエマージング市場(中国やインド等)だが、Dellが得意とする法人市場はそれ程伸びていない。Dellの売上に占める法人市場での売上は85%にも達する。Dellは直販モデルを取った結果、街角のPCショップでは存在感が薄いのが仇になっている。
  3. DellはIntelのCPUしか採用しない戦略をとってきたが、Intelのライバルである(低価格の)AMDがシェアを伸ばした結果、AMDを使うメーカーに比べてIntelを使い続けるDellは薄いマージンで我慢せざるを得なくなってきた。


一時期は流行り言葉のように使われた「Dellモデル」も時代の変化に晒されて万能とは言えなくなってきたようだ。これからの動向が注目されるところだ。



ところで、私はこれまで3回Dellの製品を買ったことがある。
最初が確か96年頃。他メーカーよりも多少安かったのと興味本位も手伝ってオンラインで注文したが、品物が届くまで1ヶ月近くかかって複雑な思いをしたことを覚えている。
2回目は2004年。この時も安かったがやはり配送に1ヶ月かかり、さらにちょっとした不具合があってサポートセンターに電話したら、日本語での会話に苦労し(たぶん相手は日本語を解する外国人)、結局埒があかなかった。まぁ安いからしょうがないかぁと思ったものだ。
3回目は劇的な改善があった。注文したのは今年の4月末、そこから1週間で品物がとどいてしまった。まぁ今回だけはアメリカだから多少事情が違うのかもしれないが、それ以前の体験とずいぶんと違うので、今回の取引には大いに満足している。



品質に改善が見られるうちは、まだまだDellの業績は拡大して行くのではないかと考えている。


BluetoothがUWBに乗る [その他テクノロジー]

デジタル家電製品やパソコンなどの間を簡単につなげるものとして日本でも徐々に人気が出てきたBluetoothだが、次世代品ではUWB(Ultra Wide Band)の仕様を取り込んでさらに高速化していくようだ。"Bluetooth-on-UWB"のような形になるらしい。



Bluetoothは携帯電話とパソコン、携帯電話とヘッドセット、パソコンとマウス、といったようなデジタル機器どうしを無線でつなぐ技術で、日本では立ち上がりに苦労したが、ヨーロッパあたりで順調に普及してきたと思う。その特徴はなんと言っても消費電力が少ないこと。難点は速度が1Mbps程度に留まること。手軽に使えるのでスマートフォン等の高性能デジタル家電にしばしば搭載されているが、大容量の画像や音楽ファイルをやり取りするにはやや力不足なようだ。



Ultra Wide Bandはもともと軍事目的で作られた通信方式だが、2002年から民生転用が可能となった。瞬間的に信号を発するインパルス波を使っている関係で雑音に強く、小電力で高速通信が可能になっている。UWBの民生技術であるWiMedia Allianceの仕様では、無線通信でありながら480Mbpsの通信速度を目指すと言うから驚きだ。これはもう家庭用光通信アクセス回線の速度を超えている。



近距離無線技術にはBluetoothやUWBのほかにZigbeeもあるし、最近では無線LANも通信速度を上げる規格がまとまりそうで、ますます混迷の様相を呈していたが、BluetoothがUWBと統合してそれぞれの強みを持ち寄って統合していく方向にあるのは、ユーザーとしては望ましいことだと思う。


電力線インターネットは実現するか? [その他テクノロジー]

家庭内からインターネットにアクセスするために使われる「線」と言えば、①電話線(DSL含む)、②CATV、③光ケーブル、④無線、が主流の技術だろう。時代は①、②から③に移行しつつあり、今後次世代携帯電話4GやWiMAXの動向しだいで④がどこまで頑張れるかと言ったところだろうか。



これら4つが熾烈なシェア争いを繰り広げている中で、今後ダークホースとして登場するかもしれないのが電力線だ。家庭の各部屋に100ボルトの電力を供給している電源コンセントとそれをつなぐ電力線を通信ケーブルにしてしまおうという技術だ。これはユーザーにはとても魅力的で、何しろPC類につけなければならない線は電源コンセントのみ。通信ケーブル類は接続する必要もなく、無線LANの設備もいらない。どこの部屋にも必ず一つや二つの電源コンセントはあるのでケーブルの接続に困ることもない。これが実用化されれば他の通信手段を一気に抜き去って家庭内通信インフラの主役として躍り出る可能性がある。



この技術、スペイン等一部の国では既に実用段階にある。日本でも長いこと行政府と業界の間で認可を巡って審議が繰り返されてきた。しかし、電源コンセントは線をシールドで覆ってないため、数GHzという高い周波数の信号を流すと、信号がどんどんケーブルから漏れ出し(つまりは電波を発し)、周囲の通信機器類に障害を与えてしまうことから、日本の総務省は長らく認可を与えてこなかった。この分野のベンチャー企業は少なくないのだが、こうした規制の影響で長らく事業が拡大しなかった。



アメリカでも事情は同じなのだが、このたびカリフォルニア州政府はこの規制を緩める方向に動いたようだ。

the California Public Utilities Commission voted Thursday to reduce the number of regulatory hurdles companies must clear to experiment with the technology.

規制がなくなるわけではないのだが、規制を緩くすることによって通信分野の競争を促進しようというものだ。実際、私が住んでいるカリフォルニアの通信事情は遅れており、シリコンバレーであっても光ケーブルにお目にかかることはまずなく、高価なCATVケーブル接続(約$40/月)か、低速でしばしば障害が発生するDSLぐらいしか選択肢がない。電力線通信は長い距離の通信が不得意なためアメリカの広大な住宅街に張り巡らせるのは困難かも知れないが、集合住宅などの通信環境を改善するものとして期待したい。


NECの光半導体技術 [その他テクノロジー]

NECが「光回路」を内蔵した半導体の技術を発表した。この技術を使うと半導体のシリコン基盤の上に光の回路を形成することが出来る。



光の回路とは、光の波長を変えたり、曲げたり、増幅したり、記録させたり(!)する回路のことだ。現在でも光ファイバーを使った通信機器には必ず光を取り扱う部品が必要になるわけだが、それなりに高価なものだった。NECの技術はこうした高価な光部品を安価なシリコン上に形成し、しかも電子回路と同一チップに収められるのでこれまで複数のパッケージにまたがっていたものを一つの小さなパッケージにまとめられる。そうすると、通信事業者などで使われる高額なハイエンドスイッチが劇的に安価なものとなり、企業内や家庭内などでも普通に光ファイバーが使われる時代を実現する可能性を秘める。



そんな高速なネットワークを家庭内に入れてどうするんだという疑問もあるが、ハイビジョンが身近になった今、家庭内の各部屋でハイビジョンを見るのもありえなくはない。そんなことを可能にする基礎技術になるだろう。



フォトニック結晶と言う技術を使ったこの分野では、日米欧が三つ巴になって次世代の覇権を競っているが、日本の実力はなかなかのものだ。将来、大きな産業に育ってほしいと願うばかりである。NECといえば日本を代表する優良企業。こういう話が出てくると、案外日本の将来も悪くないのではないかと思う。


Sunの世代交代 [その他テクノロジー]

SunのScott McNealyが遂にCEOを退任した。引き続きChairmanとして影響力を行使するであろが陣頭指揮を取る立場ではなくなった。彼はIntelのAndrew Glove、OracleのLarry Ellison、CiscoのJohn Chanberseらと並んでシリコンバレーの顔役だったが、バブル崩壊とともに凋落は誰の目にも明らかでいつかこうなるとは思っていた。その日がついに来たという感じだ。



Sunは創業以来コンピューターを相互連携することに長けていた会社だ。ネットワーク上でファイルを共有管理するシステム(NFS)や独自アーキテクチャのSPARCチップ、さらに90年代にはJAVAの開発などで一斉を風靡し、90年代後半にはインターネットやエンタープライズサーバーと言えばSunという時代があった。しかしながら売上の多くをハードウェアに依存する典型的な「ハードウェア企業」であったためか、ハードウェアの製造分野を外部ベンダーに開放して価格を下げる方向にはベクトルが向かず、多分価格が高止まってしまい、気がつけばいつの間にかWintel陣に価格性能比で大きく水をあけられてしまった。その後、Linuxに対抗するために虎の子のSolarisをオープンソース化したり、最近ではSPARCアーキテクチャをオープンソース化するなど斬新な手を打ち、その甲斐もあってか業績が回復基調にあるようだが、一頃のような輝きはない。UNIXは今後も必要な分野であろうが、基本的にはニッチなプレイヤーでしかなくなってしまったように感じる。



半導体の世界にはムーアの法則があって、チップの集積度が1.5~2ヶ月で倍増するという歴史を辿ってきたわけだが、コンピューターハードウェアはこの半導体の性能向上の影響を直接受けて際限のないパフォーマンス拡大競争、あるいは低価格化競争に見舞われてきた。その結果、この市場(特にPC市場)で収益を上げられるのは限られた半導体を半独占的に販売する業者か、低コストで製品を製造・販売・流通できる業者に絞り込まれてきた。Sunはこうした動きとは一線を画し、サーバー分野に求められる付加価値を高めることで収益を確保しようとしたが、結局のところ攻め入るIA陣の前に出来ることは限られていた。



ハードウェア事業の収益の源泉が、半導体などの小さな部品やサービス等付加価値の部分に移行している流れ中でSunが取り得る戦略は限られている。オープンソースの時代にあってはユーザーを味方につけなければ競争には勝てず、その意味でOpen SolarisやOpen SPARCの戦略は間違っていない。あとはこれらの流れがどれ程のコミュニティを形成し収益を生んでいくことが出来るか、チャレンジが続くことになるのだろう。



一頃ほどの輝きはないとしても、ハードウェア業界の行く末を見る上でSunはまだまだ忘れてはいけない存在だ。


オープンソースの流れ 2 [その他テクノロジー]

オープンソース化の話を続けてみたい。



オープンソース化が進むとどんなことが起こるのだろうか?



まず、ソフトウェア企業のビジネスモデルが違ってくるはずだ。
クローズな世界でのソフトウェアビジネスは、ソフトウェアの内容を外部には公開せず、利用者したいユーザーからライセンス料を徴収することで成り立っている。たとえばパソコンのユーザーは、パソコンショップに行って自分の欲っするソフトウェアを買い(この時点でライセンス料を払う)、自分のパソコンにインストールして使うが、ソフトウェアをパソコンにインストールしただけではユーザーにはソフトウェアの中身であるプログラムは見えないようになっている。このようにユーザーにはソフトウェアの中身を見せないところがクローズな世界でビジネスしていく上で重要なポイントだ。



クローズな世界での基本戦略は、顧客を「囲い込む」ことだ。たとえばパソコンOS業界で業界標準を取っているM社の戦略は、そのOSをPCハードメーカーにバンドル(くっつけて)販売することによってまず顧客を囲い込むことに力点を置いている。顧客はパソコンを買ってM社のOSを使うよう囲い込まれてしまうと、そのOSの世界の中でしか動けない。その事情を利用してM社は自社製OSの上でしか動かないアプリケーションソフト(オフィス製品等)をかなり「強気」の価格で売りつけることが出来るようになる。90年代後半、このビジネスモデルはとても強力に作用し、公正取引委員会から是正勧告が出されるまでになった。



ところがオープンな世界ではソフトウェアの内容は外部に公開されてしまうため、ライセンス料の徴収という考え方はもはや存在しない。代わりに公開されたソフトウェアを使うのに必要なハードウェアやら諸々のサービスを提供することでビジネスを行うように変わっていくのだ。Sun Microsystemsという90年代後半に一世を風靡した企業があったが、2000年以降の業績低迷を受けて、Sunは虎の子のソフトウェアであったSolarisというOSをオープンソース化して話題になったことがある。このときにSunが狙ったのは、Solarisの売り上げを放棄する代わりに、Solarisを動かすためのハードウェアの売り上げを伸ばすことや、Solarisをインストールしたり効率的に動かすための数々のサポートをビジネスにすることで実を取ろうとしたのであろう。これがオープンソース化であり、最近になってこのような動きが増えているように思う。オープン・ソースに関与する企業には、①出来上がったソフトウェアの内容を公開してしまうもの、②公開されたオープンソースをいつくか調達してきて独自の製品を作り、これをクローズな製品として販売するもののの2種類ありそうだ。①には上述したSunのSolarisやLinux等が当てはまる。②の分野ではさらに大きな動きが起きてきているようだ。



また、オープンとクローズでは競争原理が違ってくる。
クローズな世界では、「コモディティ化」が大きな脅威であった。自社の作った製品がコモディティと化してしまうと容易には利益を上げられなくなるからだ。だから、企業は自社製品がコモディティ化しないよう、差別化を繰り返すことによって競争し、発展してきた。
ところがオープンな世界では「コモディティ化」は利益となる。より多くの人が自分の製品を使ってくれることで自分の製品の世界がより早く広がり、ユーザーからのフィードバックによって製品の完成度をより早く高めていくことが出来るからだ。オープンな世界で活動しているソフトウェア企業たちの行動様式はもはや秘密主義ではありえず、オープンソースコミュニティに対して如何に付加価値を提供できたかで判断されるようになるのだろう。



このようにオープンソース化の動きはソフトウェア企業のビジネスを根本から変革するよう要求するものなのだ。こうした動きに対して世界最大手に属する企業も安泰ではなく、地殻変動が起こりつつあると考える。



今年はWindows95からちょうど10年、ソフトウェア業界は新しい時代に入ったのかも知れない。




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