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3D化の流れは止まらない [その他テクノロジー]

Alice-in-wonderland_320 今週末はAcademy Awardsが開催される。毎回注目される作品が多い中で、興行収入という点ではAvatarが圧巻だが、Oscarの行方に注目したい。

Avatarは未だに上映が続いている人気の3D映画だが、アメリカではAvatarに続く3D映画であるAlice in wonderlandがこの週末に公開され、出足は好調なようだ。

Box office: 'Alice in Wonderland' on track to break all March records

... The Tim Burton-Johnny Depp collaboration debuted Friday to close to $40 million, putting its 3-day cume in the range of $110-$120 million. That far surpasses the previous March record-holder, Warner Bros.’ 300 which opened to $71 million back in 2007. 


先週の金曜日に封切られたばかりのようだが、1日の興行収入が$40M、土日を含めた3日間では$110-120Mに達する見込みで、3月公開の映画としては記録的だという。3D映画だから人気なのか、Johnny Deppだから人気なのか、おそらくその両方だろうが、3D化の流れはすっかり定着しそうな印象を受ける。


この映画は日本では4月中旬の公開のようだ。もし見に行かれる方があれば下記に注目しよう。


引用: Alice breaks box office records, proves the power of 3D

If you go, watch the tea party scene closely. As reported on VentureBeat, it was filmed with standard 2D cameras and then converted to 3D by SoCal digital post-production house Legend 3D.


映画の中に出てくるティーパーティのシーンを注意深く見てみよう。2次元の映像を3次元化したものらしい。Legend 3Dのデジタル処理によるものとか。


今年はテレビも3D元年と言われている。3Dブームはしばらくは続きそうだ。


近未来のコンピューター [その他テクノロジー]

VC業界も長くつらい時期が続いているが、そろそろ前向きな話も増えてきたよう今日この頃だ。そんな中、近未来のITの話が目にとまったので紹介しよう。コンピューターのユーザインタフェースの話だ。



コンピューターはますます高機能になっているが、その高度な処理能力によってユーザインタフェースはユーザフレンドリーな方向に向かっている。これからのコンピューターは、もう面倒な操作は不要だ。
QWERTYキーボードの配列を知らなくたって、マニュアルなんか読まなくたって、ダブルクリックをできなくたって(今となれば懐かしい話だがWindows95が出たばかりの頃はこれで苦労した方が少なくなかった)、コンピューターを操作できるようになる。



代表的なところではAppleのタッチスクリーンがそうだし、Google Voiceを筆頭に巷で動き出した音声認識系のサービスもしかり、任天堂Wiiのコントローラーもしかり。近いうちに登場しそうなMicrosoft XboxのProject NATALも身振り手振りでゲームを操作できるものとして注目だ。このように「コンピューターが人間に合わせる」時代が来つつある。



この分野の研究開発はさらに先に進んでいる。Microsoft Researchでの取り組みを紹介した下記の記事を見てみよう。

引用: Speech, touchscreen — been there, done that. What’s the user interface of tomorrow?
Venture Beat 2009/9/2

... A muscle-computer interface would allow users to interact with their computers even if their hands are occupied with other objects (e.g., carrying a briefcase, holding a phone or a cup of coffee, etc).

近未来のインタフェースとして最初に挙げられている例はマッスル・コンピュータ。「筋肉センサー」とでも訳そうか。人間の筋肉の動きを読み取ってコンピューターを操作するための入力装置のようで、コンピューターの操作を手足の動作で行えるようになるということのようだ。そういえば、日本のロボットベンチャーで実際に商品にしているところがあったような気もするが。。。

Tongue-based interaction could enable users who are paralyzed but still have control of their eyes, jaw and tongue to use tongue gestures to control a computer. The idea is to use infrared optical sensors embedded in a retainer inside the user’s mouth to sense tongue movement.

次は舌を使うインタフェースだ。障害のある方などに有効かも知れない。

The bionic contact lens project allows contact lenses to continuously perform blood tests on an individual by sampling the fluid on the surface of the cornea and without having to collect a blood sample. The lens could eventually analyze the fluid and send that analysis wirelessly as part of a healthcare monitoring program.

興味深いのは「バイオ・コンタクトレンズ」。このコンタクトレンズは、眼球に接しながら血液検査と同じような分析を常時行い、その情報をワイヤレスで発信してくれるらしい。いわばリアルタイム血液検査装置といったところか。糖尿病患者の多いアメリカならではの発想だ。



なんだか人間とコンピュータが「合体」しそうな勢いだ。少し前に「ウェアラブル・コンピューター」という言葉があったが、考え方はそれに近い。



ここに挙げられたものは、世界中で取り組まれているプロジェクトのほんの一部に過ぎない。人間がコンピューターに振り回されるのでなく、コンピューターが人間にやさしくなる時代がやってきている。まだまだITでやれることは多い。


2009年のテクノロジー [その他テクノロジー]

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。



昨年はいろいろな意味で波乱の年でした。2009年はどんな年になるでしょう。下向きになってしまったマインドが回復するには時間がかかるような気がしていて、2009年はあまり明るいニュースは望めないような気がしています。喧噪の中で軸足がぶれることのないよう、今年はじっくりと足場を固める時期だととらえています。



メディアではどんなことがささやかれているでしょうか。米国のテクノロジーやベンチャーの動向について、下記の記事がまとまっているので紹介しましょう。細かいところは端折っていますので、よかったら是非原文を見て下さい。

引用: Ten tech predictions for 2009
by VentureBeat誌 2008/12/31

  1. 技術系ベンチャーのIPOは年内は望めない: ちなみに、2008年はシリコンバレー発企業によるIPOはわずか1社!
  2. エネルギー・インフラへの投資は続く: Obama次期大統領は8,000億ドル(約70兆円弱)の景気刺激策を約束しているが、少なからぬ資金が風力発電プラントや送電線網構築に費やされる。
  3. AndroidはiPhoneを抜く: 40を超すAndroid搭載機が発表され、Android搭載機の売れ行きは2009年7月までにiPhoneを超すだろう!
  4. Appleは今年も絶好調: 2008年Q4の純利益は前年同期の約2.2倍を記録した。しかも、売上高の2倍以上に匹敵する前受金を売上計上しないでこの実績(詳しくはこちら)。この勢いは2009年も衰えない。
  5. クラウド・コンピューティングが流行りそう: ユーザはコストをかけずにサービスを利用できるので、不況に強そう、ということらしい。
  6. クリーンテックがらみのトラブル続出: 環境にやさしいはずのクリーンテックだが、風力プラントの停止、ソーラー設備製造による環境破壊、訴訟、盗難など、あちこちで問題が起きているようだ。クリーンテックだからと言うだけで信用してはならないということらしい。
  7. Twitterはマネタイズできるか: 出来なかったら身売りもありえる?
  8. Microsoft版のiPhone - "Zune Phone"が登場: 果たして実現するか?
  9. iTunesはDRMフリーに: 可能性はあるが。。。。
    昨日の紅白歌合戦を見ていて、最近は名曲が減ったなぁと改めて実感。DRMフリーはいいけど、ますます音楽業界は斜陽産業になるんじゃないかと懸念してます。
  10. VCの資金調達(ファンド設立)は激減: 問題はどの程度まで減少するか。VCが資金調達できなければ、VCからベンチャー企業への投資も減るのは必然。賢明なベンチャーは、VCからの資金調達に頼り過ぎずに成長する道を探しているとか。

ということで、今年も注目すべき動きはいろいろとありそうだ。



最後のVCのファンド設立の状況については諸説あって、たとえばFacebookの株主として有名なAccel Partnersは、この最悪の環境下にもかかわらず10億ドル超のファンド募集に成功したという話もある(Accel closes two funds totaling more than $1B)。ファンドに"Groth"がついているので、純粋なVCファンドといえるかどうかは微妙だが、担当パートナーはアーリーステージ投資のファンドを運営してきた経験者達らしい。VCすべてが苦しいわけではなく、VCの勝ち負けがはっきりして「選別」が起こっていると考えるのが妥当だと思う。



今年も頑張っていきます。変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


2009年の注目技術 by BusinessWeek [その他テクノロジー]

2009年に注目の技術についてあちこちのメディアに登場し始めている。人によっていろいろな説があるので、それらメディアを回って多くの人の意見を聞いて見るのも悪くない。



今日、目に留まったところでは、BusinessWeekの記者による対談のビデオキャストがおもしろい。英語のヒアリング訓練もかねて、そうしたサイトにチャレンジして見るのも悪くないでしょう。

引用: Tech Predictions for 2009 (Business Week)
(関連記事はこちらから参照化: Tech Trends to Expect in 2009

要約すると、2009年の注目技術は下記のようなもの。

  1. Game: 大画面に対応したゲーム。ハード、ソフトともに注目。
  2. Phone Application: iPhone向けに限らずスマートフォン全般に注目。
  3. China Falling: 経済減速、政治体制不安定、環境汚染、モラル低下、など。
  4. Flash Memory Chip: サムソンには朗報か。
  5. Wall Computer: 壁掛けPC。壁には常時稼動のパソコンを。
  6. Carry Along PC: 持ち運びしやすい小型PC。Ultra Mobile PCとほぼ同義のようだが、9 inchぐらいのやや大きめの画面で重さ2ポンド(1kg弱)を想定しているらしい。
  7. Long Term Evolution: 携帯電話の4G化。3.9世代とか、スーパー3Gとも呼ばれる。
  8. Broadband to every nations: ブロードバンドの世界展開。ワイヤレスアクセス等のアクセス方法の多様化、低価格化、発展途上国への展開など。
  9. Voice Application: 音声認識を使ったアプリケーション。
  10. Internet assistance: ネットによる支援機能。パーソナライゼーション、レコメンデーション、GPS連携、各種ターゲット広告などの機能を含むものか。


どの技術も既に盛り上がっているか、近い将来盛り上がりそうなものだ。



景気減速を受けて自宅で過ごす時間が増える人が多かろう、ということでトップにゲームが入っている。なるほど、ごもっともだろう。



5と9はこのビデオで初めて聞いた。景気が悪化しても、まだまだ新しい未来は描けるものだ。


Apple's Next Big Move [その他テクノロジー]

Appleの製品はタッチパッドをうまく使っているのが特徴だが、Appleはこのタッチパッドを携帯電話や音楽プレーヤーだけでなく、パソコンにまで採用するのかもしれない。



VentureBeat誌に掲載された記事を引用させていただくと、

Just a touchpad and a screen: A grand unified theory of Apple’s next big move
(VentureBeat 2008/8/11)

Ever since Apple’s chief financial officer, Peter Oppenheimer, referred to a “future product transition” during the company’s most recent earnings call, the tech news world has been abuzz.
...For some, the future holds a touchscreen MacBook or an ultra-portable tablet. Others envision a MacBook with a souped-up multi-touch touchpad made of glass positioned below or next to the keyboard.

AppleのCFOであるPeter Oppenheimer氏との電話インタビューにおいて、氏はマックブックにタッチスクリーンを搭載することをほのめかして騒然となったということだ。



といって、Appleが細かいことを発表したわけでもないようなので、単なる憶測に過ぎない。しかしAppleなら何かやってくれるだろうということで、VentureBeat誌はAppleのタッチパッドの特許を元にあれこれ分析しているわけだ。



Patents_2 記事の中で引用された図表の一部を再引用させていただくが、Appleの特許"wide touchpad on a portable computer"の概略図の一部が掲載されている。詳細は引用元の原文や特許のClaimを見ていただきたいのだが、パソコンからキーボードが消え、キーボードのあるべき位置にタッチパッドと思しきものが据えられているのがわかる。







試みとしては大変おもしろい。だが、いったいこんなパソコンがあり得るのだろうか。



機械式のキーやボタンは、操作に慣れた人がスピーディに入力するには優れたデバイスだ。あのキータッチや押したときの感覚が重要だったりする。メールを書いたりブログを書いたりするには、機械的なキーボードのほうが素早く打ててしっくりくる。



それ対してタッチパッドはキーボードとは別物という感覚だ。直観的な操作でいろいろなことができるので、定型でないアプリ、より柔軟でヒューマンなインタフェースを追求しようとしたらタッチパッドは素晴らしい。ファイルをスクロール中に終わりまでいったら、画面がビヨーンと行き過ぎて戻るところなど、思わず笑みがこぼれるくらい素晴らしいと感じる。だが、タッチパッドは細かい操作が難しい。特に、データの入力が難しい。何しろiPhoneやiPod Touchのバーチャルキーボードは小さすぎて、太い指で長文を入力する気にはならない。ボタンがないことに戸惑ったり不便に感じる人も少なくないはずだ。



要はアプリ次第で、機械式のキーボードのほうが向いている場合もあるし、タッチパッドが好まれる場合もあろう。



ビジネスで使われるパソコンにタッチパッドが入ってくるとは思えないが、どちらかといえば写真、ビデオ、音楽といったリッチなコンテンツを主に使うユーザーにはタッチパッドは悪くない。そうした分野のパソコンとしてタッチパッドPCが出てきたら面白そうだ。


著名ベンチャーキャピタリストが予想する10大技術トレンド [その他テクノロジー]

The Churchill Club of Silicon Valley で今年の10大技術トレンドが議論された。提案したのはDFJのJurvetson氏、Khosla VenturesのKhosla氏(Sunの創業社長)など、シリコンバレーを代表する著名キャピタリストたちだ。詳細は原文を見ていただくとして、ここでは挙げられたトレンドをまとめてみた。

引用: Top 10 tech trends: The boomer Internet, smart phones and more

  1. エージング防止技術: 60歳を越えても働いたり健康に過ごせるための技術
  2. アルゴリズム: 新材料、新バイオ燃料、人工知能を開発するためのアルゴリズム
  3. 携帯電話: ますます多機能に
  4. バイオ燃料
  5. 顧客データの統合: ネットの「あちら側」で顧客データが統合・連携を強める
  6. VC業界の縮小: (これは困った、、、)
  7. スマートフォン
  8. 身の回りのデジタル機器すべてがベルトか財布に収まる
  9. 水: 地球温暖化よりも重大な問題に
  10. モバイル・インターネット・デバイス: 10年以内に地球上の5分の4の人が使うように


まとめてみると、キーワードは多機能ハンディ・デバイス、燃料、水、といったところか。結果だけ見るとそれ程目新しいものではない。



ちなみに、昨年の10大トレンドも公開されている(リンクはこちら)。Web2.0の沈静化、Enterprise2.0などが予想されていた。この1年に実際に起こったことと見比べてみると面白い。


US Tech Trend 2008 [その他テクノロジー]

年末はVCが最も多忙な時期だ。欧米諸国で言えばクリスマス前、日本も年の瀬の前に資金を手当てしようとするベンチャー企業が多いので、毎年この時期は投資契約の大詰めを迎えることが多い。そうした多忙の中、先週は国外に長期出張に出たりしていた関係で、ブログもご無沙汰。反省してます。



さて、2008年のことがメディアのあちことで書かれる時期になったが、その中で目に付いた記事を紹介しよう。GartnerやIDCといったリサーチ会社が出しているものではないため、あまり包括的ではなく、どちらかというとこのエントリーの筆者の個人的視点(韓国のネット社会の現状に照らして米国はこうなるといった論調)の色彩が強いものだが、そこはご容赦願いたい。

U.S. tech trends for 2008(詳細は原文を参照されたし)

  1. Mobile videoconferencing reaches the states
  2. Virtual currencies warm up
  3. Semantic Web slowly begins to gel
  4. Location-based mobile services gain ground
  5. Interactive TV makes a comeback

1.のMobile VideoconferfenceについてはMobile WiMAX先進国の韓国ならではのサービスかもしれないが、既に韓国では10代らの携帯ユーザがテレビ電話で通話しているという。日本の3Gでも使えるはずなのに、個人的には日本で携帯テレビ電話を使っている人は見たことはない(周囲に10代がいない?)。しかし、パケット定額制の普及によっていずれ普及するのではないか。米国でとなるとちょっと?だが、MobileWiMAXが出てくればありえるのかも知れない。



2.のVirtual Currencyは既にオンラインの世界で使われている。有名なところではセカンド・ライフのリンデン・ドルがあるし、各種のネットポイントやマイレージも決済手段として使われ通貨の機能を持ってきている。日本では電子マネーの動きも目が離せない。世界中で仮想通貨は今後も大きな流れになっていくのかも知れない。



3.のSemantic Webという言葉は20年くらい前に人工知能(AI)が流行った頃に聞いたことがある言葉で、随分と古風なことを言うと思ったが、復活してきたのだろうか、例えばこんなカンファレンスが開かれているようだし、XMLなどWebの技術も取り入れられてきている(説明)。Webの発達で改めて注目されているということなのだろう。今後もWebはフィルタリング、アグリゲーションといった形で発展を続けるようだ。今後、人間の生活にどこまで影響を与えるかといった問題から、フォーマットはどうなるかといった技術的な問題まで、徐々に解決されていくだろう。



4.は携帯電話へのGPSの標準添付によってますます広まりそうだ。日本ではなじみのあるサービスだと思うが、アメリカでもそろそろクリティカル・マスを越えそうだという。



5.のInteractive TV(双方向テレビ)は日本でもデジタル放送の浸透とともに、徐々に基盤ができつつある。テレビ・リモコンの青・赤・緑・黄のボタンをつかって、番組を見ている視聴者がお茶の間からクイズに投票するような試みが始まっているようだ。今後もますます増えるだろう。それと同じようなことが米国でも増えるというか。



このように、上記のエントリーは米国の2008年の動向について書かれたものだが、日本では既に実現していることも多い。こうしたコンシューマー向けのアプリについては日本は米国よりも先進国なのではないか。2008年は日本発で海外に飛び出すベンチャーが増える年なのかも知れない。もしそんな元気のいいベンチャー経営者の方がいらっしゃったら是非ご連絡ください。



皆様、よいお年を。


コピーワンスは困ります [その他テクノロジー]

我が家では昨年秋にHDレコーダーを購入し、毎日その恩恵に浴している。使い勝手に非常に満足しているのだが、一つだけ困ったことがある。コピーワンスの問題だ。Webでもしばしば取り上げられている問題なので、自分でもどういう問題か知っているつもりだったが、実際に体験して改めてその制限の意味を痛感することとなった。



何が起こったかというと、とあるドキュメント番組をHDに録画し、会社の同僚が見たいというので番組のファイルをHDからDVD-RWに移した。(ご存知ない方のために補足すると、この場合HDからDVD-RWにコピーは出来ない。コピーワンスとは、1回だけコピーできますという意味ではなく、実際にはmoveつまり「移す」ことしか出来ない。この「移す」というのは文字どおり記録内容をHDからDVD-RWに「移す」ことで、移した後はHDにあったファイルは削除される。もし移動先のDVD-RWに不具合があったり割れたりしたら、もう元のファイルはHDには残っていないので、ファイルを失うことになる)



ところが、DVD-RWに移し終えたファイルを他の機器で見ようとしたが何故か見れない。フォーマットが違うのかもしれないと思い、仕方がないのでもう一度記録しなおそうとDVD-RWから元のHDにファイルを戻そうとしたのだが、これも何故か出来ない。例のコピーワンスの制限に引っかかってファイルを戻せなくなってしまったわけだ。何しろコピーワンス(ムーブワンス)だから、一度移したら最後、もうどこにも移せないわけだ。



妻に頼んでどうものかメーカーに問い合わせてもらうと、「DVD-RWは不具合が発生する場合があるので出来ればDVD-Rを使ってください。きちんとマニュアルにもそう書いてあるはずです」とのこと。どういう不具合が発生するのかわからないが、要はDVD-RWは録画した機器以外では見れない場合があるということらしい。



ちょっと待ってくれ、カタログや説明書にはちゃんと「DVD-RW対応」って書いてあるじゃない、、、しかも著作権対応済みの(高い)DVD-RWを買って使っているのに、、、、



我が家のHDレコーダーの記録容量は250GByteのため番組を高画質で録画するとすぐディスクが一杯になってしまう。そんな訳で退避用として既に映像ファイルを100枚近くのDVD-RWに移している。もし、この100枚のディスクすべて他の機器で見れないとしたら、今の機器が壊れたらディスク内の映像はもう見れないわけだ。せっせとDVD-RWに移しても、視聴できるのは現在のHDレコーダーの寿命が尽きるまで、、、こんなことって、あってもいいんでしょうか。。。



幸いなことに、コピーワンスの制限を緩和する動きがあるようで(参考記事)、それはそれで歓迎なのだが、そもそも何でこんな制限を作ってしまったのか、業界関係者の見識を疑りたくなる。HDレコーダーは今や家庭に必須の商品。早いとこ何とかして下さいな。


モバイルWiMAXと次世代携帯電話 [その他テクノロジー]

2007年5月15日、総務省は外出先や移動中でも高速インターネット接続が可能な次世代高速無線通信の免許を最大2社に割り当てる方針を発表した(報道資料)。その意図は、無線通信サービス分野への新規参入の促進と地域間の通信環境格差の是正のようだ(関連記事)。この2社の割当枠をめぐり、NTT ドコモ+アッカ、KDDI+京セラ、ソフトバンク+イー・アクセス、ウィルコムの4陣営が凌ぎを削って今日に至る。



でも、この話、なんだかどうもよくわからない。なぜわからないかというと、



①新規参入が促進されるわけではなさそう



4陣営はどれも携帯電話事業者が中心になっているようだ。結果的に新規参入というよりは、既存事業者の勢力争いの具に使われるように見える。



②次世代高速無線通信って必要なの?



FOMAでも移動中の通信は可能だが、データ通信速度はKbpsの世界だ。3.5Gとも言われるドコモのHSDPAになると14Mbpsでデータ通信出来るようだ。一方のモバイルWiMAXは数十Mbpsが出るという。確かにモバイルWiMAXは速いが、桁違いに速いというほどでもなさそうで、「次世代」とはいうよりは「現行よりちょっといい」くらいのレベルだと感じる。このレベルであれば、「次世代高速無線通信」はあまり必要な気がしない。



憶測だが、次世代高速無線通信が必要だから導入するのではなく、2.5GHzの周波数帯に空きができたのでこれを携帯通信用に開放して負荷の分散を図るとともに、世界標準となりつつあるモバイルWiMAXを実際に運用させることで世界の技術レベルに追随しようというのが本音ではないか。確かに、国の技術力を高める意味で世界の技術レベルに追随していくことは重要だ。



③端末はどうなる



モバイルWiMAX等の次世代高速無線通信には専用の端末ができるのだろうが、利用者の使い勝手を考えると、他の通信方式との併用を考えるのが合理的ではないか。そのうち携帯電話は一台でFOMA, HSDPA, モバイルWiMAXなど複数の通信方式に対応するようになっていくような気がする。端末の開発メーカーは益々大変になりそうだ。





④さらに次世代の携帯電話はどうなる?



ちょっと前まで第4世代あるいは4Gという言葉があって100Mbps~1Gbpsを目指すとされていた(参考記事)。でも、なぜか最近はあまり聞かなくなってしまった。
現実的に考えて1Gbpsというのはとてつもなく速い。光ファイバーを使ったFTTHですら、Giga単位までは実現できていない。まして数百メートル以上の距離を無線でGiga単位の通信速度を実現するのは簡単ではないだろう。世界的に見ても4Gの共通規格が定まっているわけでもなさそうだ。次の世代の携帯電話が出てくるまでしばらく時間がかかるので、それまでの間はモバイルWiMAXで世界レベルの技術に追随し、その裏で4Gでの覇権を巡って虎視眈々と研究開発に励む、ということではないか。



モバイルWiMAXの標準化に尽力しているIntelは、モバイルWiMAXを世界標準にすべく、標準化団体に働きかけているようだ。一つの端末が世界中で使えるようになるメリットは大きく、その意味でモバイルWiMAXが世界標準として使われるようになるとユーザーにもメリットはあろう。その一方、ベンダーの視点で見るとこうした標準化の流れに乗り遅れると市場を失うことになる。



結局のところ、今回の次世代高速無線通信は、世界標準になろうとしているモバイルWiMAXに追随しようということではないかと感じている。

参考記事: インテル,モバイルWiMAXを第3,第4世代携帯の国際規格に提案


AcerがGatewayを買収、世界第3位へ [その他テクノロジー]

台湾のPCメーカー、Acerが米国のGatewayを買収するようだ。買収額はUS$710百万ドル(約850億円)。最近のGatewayの時価総額がUS$680百万ドルだから、ほぼ妥当な価格だろう(参考株価)。8月27日付WSJ誌の報道を引用させてもらおう。

Taiwan's Acer Inc. said it had reached an agreement to acquire Gateway Inc. in a deal that values the U.S. company at about $710 million and pushes Acer past Lenovo Group Ltd. as the world's No. 3 vendor of personal computers.

今回の買収によって誕生する新会社はLenovoを上回って世界第3位のPCメーカーが誕生することになるようだ。LenovoはLenovoでPackard Bellの買収に動いているようで、吸収合併によって規模の拡大を追求しているようだが、今回のAcer-Gatewayの合併はこれに冷や水を浴びせた格好だ。世界のPCメーカーの間では合従連衡による生き残り競争が起こっているようだ。

The deal appeared to mark a double blow to Lenovo, which has been the world's No. 3 PC vendor since buying the PC business of International Business Machines Corp. in 2005. Lenovo disclosed earlier this month that it is in talks to buy a stake in Packard Bell BV, a Netherlands-based PC maker. That deal was aimed at giving the Chinese company a leg up in the European consumer market, where Acer is especially strong.

この合併の目的は、スケールメリットの追求によるコストの削減と、双方の会社が得意とする地域へのクロスセルの拡大のようだ。SiliconValley.comの記事を引用すると

The merger will result in reductions in per unit procurement and component costs, and also create an opportunity for the cross-selling of product portfolios, he added.



成熟市場となったPC市場では、激しい価格競争が繰り広げられているようだが、この市場で利益を上げるのは難しいらしい。たとえば、Gatewayの年間売上高は3,800百万ドル(約4500億円)だが、純利益は約23百万ドル。純利益率は1%にも満たず、やっとの思いで黒字を確保したというレベル。直近の現金残高が255百万ドル、営業キャッシュフローは▲169百万ドルとなっていることを見れば、このビジネスは儲かっているとは言いにくい。Gatewayとしては資金が残っているうちに次の手を打たざるを得なかったはずだ。万策尽きて、買収される道を選んだというところではないか。



世界のPCメーカーは合従連衡によってコスト競争力をつけることで生き残りを図っている。日系メーカーはこれにどう対抗すべきか、出方を見守りたい。


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